ここでは、相続関係説明図(相関図)についてご説明させていただきます。
まず、相続関係説明図とは、亡くなった人(被相続人)と相続人の関係を一覧にまとめた、いわゆる「家系図」のような表のことを言います。相続関係説明図は相続で必ず作らなくてはならないものではありませんが、相続が開始された際に被相続人の生まれた時から亡くなるまでの連続した戸籍をすべて集めたうえで、必ず行うことになる「相続人調査」の結果が一目で分かるので作成しておくと良いでしょう。用途としては、遺産分割に関するさまざまな手続きにおいて、金融機関、法務局、裁判所や税理士に提出する際に使用します。
次に相続関係説明図の作成についてですが、紙の大きさ・縦書き・横書き等、方式は自由です。誰が見てもわかりやすい相続関係説明図を作成しましょう。パソコンでの作成が読みやすく、印刷してしまえば加筆修正も困難ですので推奨しますが、手書きで作成しても問題はありません。ただし、手書きの場合は鉛筆など消しゴム等で簡単に消せるものは避けるようにしましょう。
相続関係図の作成時の必要書類
- 被相続人の出生から死亡までの連続したすべての戸籍・除籍謄本・改製原戸籍
- 被相続人の最後(死亡時)の住所地がわかる書類(住民除票・戸籍の附票)
- 相続人全員の住民票
- 相続人全員の現在の戸籍
相続関係説明図の作成にあたっては、戸籍謄本・除籍謄本・原戸籍謄本をしっかりと読み込んで、相続人をひとりひとり確認していく必要があります。その際、亡くなった方(被相続人)の出生から現在に至るまでの戸籍確認は非常に困難となる場合があります。
なぜなら、古い戸籍は筆による草書体などで書かれており、インクが薄れていることも多く、また草書体に慣れていない現代人では、解読に時間がかかるうえ、読み解きながら認知された子供がいないか、養子縁組をしている記録が無いか等を確認していかなくてはならないからです。
なお、相続人が1人でも欠けている相続関係図は無効となります。また、同じように見えても、文字が一字でも間違っていると、不動産の名義変更の際に法務局では受け付けてもらえません。
相続人が多い相続手続きでは、民法のプロにご相談されることをおすすめいたします。