原則として株式は自由に譲渡できるものですが、株式には譲渡に制限を設けることが可能です。譲渡に制限が設けられている株式を、譲渡制限株式といいます。
もしも設立時の出資者として、自分以外の第三者が入ると想定されるのであれば、株式譲渡の際には取締役会の承認を必要とするといった制限を設けることをおすすめしております。
譲渡制限株式を設けることによって、会社と全く関係のない人に株式が渡ってしまい、知らない間に株主になってしまったり、会社に不利益を及ぼす人に株式が渡ってしまったりという事態を防ぐことができるのです。
ちなみに、全ての株式に譲渡制限が付いていて、譲渡制限株式以外の株式を発行していない会社を『非公開会社』といいます。
出資者が自分1人の場合、株式に譲渡制限を付けるメリットは少ないのではないかとお思いになるかもしれませんが、前述の通り会社の乗っ取り防止に効果があるうえ、新会社法では非公開会社にのみ認められている規定も多くあります。
例えば、取締役や監査役などの任期を10年まで延長させることができます。また、譲渡制限株式会社であれば取締役会や監査役を置かなくてもよいという点も、小規模に会社を設立したい場合にメリットといえるでしょう。
小規模の会社で、特別な理由がないようでしたら、全ての株式に譲渡制限を付けておくことおすすめいたします。