国や地方自治体が公共事業を発注する際、その公共事業の内容や契約事項を公示し、さまざまな業者を比較したうえで、よりよい、より安い条件を出したところに発注するという手法を取ります。これを入札といい、公平公正な業者選定ならびに適正価格にて契約を結ぶことを目的として行われます。
公共工事については、透明性を確保し、最も経済的な契約を実現するため、「一般競争入札」という業者を限定しない、誰でも入札に参加できる方法を用いることを原則としています。ただし、誰でも無制限に一般競争入札に参加できるわけではなく、入札への参加には以下の4つの要件を満たす必要があります。
- 建設業許可を受けている
- 経営事項審査を受審している
- 税金の未納がない
- 欠格要件に該当していない
こちらのページでは、入札参加に必要な4つの要件についてご説明いたします。
(1)建設業許可を受けている
入札に参加するためには、公示された業種の建設業の許可を受けていなければなりません。対象の公共工事にて必要となる建設業の許可を受けていない場合には、まずは建設業の許可を取得しましょう。
(2)経営事項審査を受審している
入札に参加するためには、対象の業種の経営事項審査を受審し、その結果通知書が到達している必要があります。
入札参加を希望する業種についての経営事項審査を申請し、現在有効な経営事項審査の結果通知書(経営規模等評価結果通知書・総合評点値通知書)が手元にある状態ではじめて入札に参加することができます。
入札への参加を希望される方は、対象の業種の建設業許可を取得した後、各建設事務所に対し経営事項審査の申請を行いましょう。
(3)税金の未納がない
公共事業の財源は税金で賄われていることから、未納の税金がある方は入札に参加することができません。
税金の完納を確認するため、入札参加資格の申請時には、消費税、県税、市町村民税等の完納証明書の提示が求められます。税金は期限までに納付し、未納がないようにしましょう。
(4)欠格要件に該当しないこと
入札には欠格要件が設けられており、その項目に該当してしまうと、入札に参加する資格がありません。欠格要件は以下の通りです。
- 欠格要件の記載については国や地方自治体によって異なる場合があります。
- 破産者で復権を得ない者
- 成年被後見人
- 被保佐人であって、契約締結のために必要な同意を得ていない者
- 民法第16条第1項に規定による契約締結に関する同意権付与の審判を受けた被補助人であって、契約締結のために必要な同意を得ていない者
- 営業の許可を受けていない未成年者であって、契約締結のために必要な同意を得ていない者
- 契約の履行にあたり故意に工事若しくは製造を粗雑にし、又は物件の品質若しくは数量に関して不正の行為をした者
- 公正な競争の執行を妨げた者又は公正な価格を害し若しくは不正な利益を得るために連合した者
- 落札者が契約を結ぶこと又は契約を履行することを妨げた者
- 監督又は検査の実施に当たり職員の執行を妨げた者
- 正当な理由がなくて契約を執行しなかった者
- 経営状況が著しく不健全であると認められる者
- 入札参加資格審査申請について虚偽の申請をし、又は重要な事実について記載しなかった者